
台風や大雨が降ったとき、冠水した道路を走る車の映像が、よくニュースで流れますね。
みなさんも、同じような境遇になった経験あるかもしれませんが、実は、危険な行為なんです!
車に乗っていると、やはり安心感があるからか、早く家に帰りたい一心からか、あの水の中に突っ込んで行くんですね…
ただ、どうしても冠水した道路を走らないといけない場合、推奨したい走り方があります。
そして、走行後にちゃんとしたケアをしないと、車が後々不具合や悪臭を起こす原因にもなってしまいます!
さらに、冠水した道路を走行中、水没してしまって最悪の場合廃車、不動車になってしまうというケースも少なくないみたいなんですね。
そんな状態になったとき、不安とパニックが押し寄せて、どう対処していいのか?と不安になることもきっとあることでしょう。そこで今回は、冠水道路の走り方と走行後ケア、水没して止まった時の対処はについて、ご紹介していきます。
お好きな所からお読み下さい
冠水道路の走り方
車って実は水に弱いんです。
意外な感じを受ける方もいると思いますが、冠水した道路を無理に走ると、水がマフラーなどから入ってきて、車のエンジンが止まり、故障してしまうこともあるんです!
また勢い良く冠水した道路に突っ込むことで、外装パーツが破損する恐れがあります。
冠水道路に突っ込んだ、
車はどうなる・・・取れました。。。 pic.twitter.com/2NaMmy5uku
— 衝撃❗😮❗ネット動画セレクション (@bibibiselection) 2017年4月19日
他にも見た目にはわからないだけで、車の裏側はボルト穴が空いていて、車とは内張りの材料のみで仕切られている場合もあります(軽自動車の安いやつとか)。
ただ水につかるだけじゃん!って思うと思いますが、道路が冠水している時は近くの下水マンホールからも水が溢れているということです。
つまり…汚水にじゃぶじゃぶ浸かっているのと変わりないということ。
それって……嫌ですよね?
だからこそ、車は道路が冠水していたら慎重になる必要がありますし、無謀な運転は避けたいものです。
基本的に冠水道路の走行は避けたほうが良いのですが、どうしても行かなければいけないような状況の場合は、下記の3つのポイントを抑えて走行する必要があります。
- 水深20cm以上は走行しない
- 一定の速度でゆっくり走る
- なるべく道路の真ん中に沿って走る
水深20cm以上は走行しない!
先ほども書きましたが、車は水に弱いです。
上から降ってくる雨ならまだしも、下や横からの水にはめっぽう弱く、マフラーなどから水が入れば、エンジンはストップしてしまいます。
その限度の目安となる高さが「水深20cm」なんですね。
水深20cm以下なら、マフラーの位置よりも低いことが多いので、特に問題なく、走行することができます。
と言っても、「車を運転していたら、マフラーなんて見えないよ!」と、思いますよね。
他に何で判断できるかというと、それは「縁石」です。
縁石は約15cmの高さなので、縁石が完全に隠れるほど道路が冠水していたら、水深は約20cm以上の場合が多いというこ都になります。
その場合、突入は危険と判断できるので、迂回するか、水か引くまで待機するようにしましょう。
ちなみに、車高をさげている車は水深20cm以下で対応できない場合が多いので、各自の判断が必要になります。
RVやSUV車であればもう少し高くても大丈夫ですが、目安として覚えておきましょうね。
一定の速度でゆっくり走る
水深20cm以下で、安全に走行できる状態と判断ができれば、冠水道路に突入します。
ただし、速度をあげずに一定度速度でゆっくりと走行してください。
正直早く抜け出したいと思うでしょうが、速度をあげてしまうと、多くの水を巻き上げることになり、エンジンに水が入りやすくなってしまいます。
たまにYoutube動画とかでスプラッ●ュマウンテンのごとく冠水した道路に突っ込んでいるシーンを見かけることもありますが、あれは用を足した水にダイブしてることと大して変わりないんですよね…。
また、一定の速度を保ち、エンジンの回転数を1500~2000回転を維持することで、マフラーから一定の排気がでるため、水が入りにくくなります。
必ず一定の速度でゆっくり走る、これを守ってくださいね。
なるべく道路の真ん中に沿って走る
みなさんご存知と思いますが、道路は、中央部を少し高くすることで、水はけを良くする構造になっています。
なので、道路の端ではなく、道路の真ん中に沿って走行することで、水深が浅くなるんですね。
ただし対向車もいるでしょうから、ぶつからないように気をつけて走行してくださいね。
安全を考慮するなら、まずはじめに実践すべきポイントです。
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走行後のケアは重要!
冠水道路を走行したらあとは、必ず車の点検やケアが必要です。
走行直後は、何も問題がなくても、
しばらくして異音や異臭、故障が
発生することがあるからなんです。
冠水道路を走行後の異変は主に下記の3つです。
- パーツや部品の劣化
- カビの発生
- 故障
パーツや部品の劣化
車のほとんどのパーツや部品は鉄でできているため、濡れたまま放置することにより、サビが発生する場合があります。
台風や大雨による冠水の場合は、早めに対処することでサビを防ぐことができますが、万が一海水による冠水の場合、走行後に部品交換をしないといけなくなる可能性もでてきます。
なぜなら、鉄に塩分が付着することで、常に空気中から水分を吸収し続け、酸化が一気に進んでしまうからなんですね。
あとラジエーターの隙間に砂利や泥が付着してしまうと、夏の暑い時期にはにオーバーヒートの原因になります。
もし、冠水道路を走行したら、必ず洗車機などの下部洗浄機能で洗車するなどのケアが必要です。
あるいは、高圧洗浄機のあるガソリンスタンドへいって「下部洗浄」のオプションを使い、プロの腕で洗ってもらいましょう。あわせて一緒にボディの洗浄もしてもらうのがオススメです。
関連記事 → ランキングに惑わされない、オススメの洗車業者の選び方!
カビの発生
冠水した道路を走行した場合、いくら水深20cm以下でも、水の中を走行するわけですから、車内の足元に水が入ってくる可能性は十分にあります。
そして、マットやシートがその水(雨水や泥水、海水)を吸収してしまうんですね。
取外し可能なマットは、洗って天日干しをしておけばいいですが、シートとなると、そうも行きません。
タオルで吸水したとしても、完全に乾くことは難しいのです。
車内は通気性が悪いので、湿気を外に逃がすことができず、時間が経つとカビが発生し、雑巾のような異臭がしてしまうんです。
シートを外して清掃することもできなくはないですが、一度そのような状態になると、もとに戻すことは難しいですね。
その場合はクリーニング業者に洗浄を依頼したり、重症の場合は乗り換えを検討することも必須でしょう。
そういった場合は、まずディーラーや一般の販売店では下取りも難しいので、こういった廃車専門業者で買い取りをしてもらったほうが賢明です。
故障
単純ですが、水に弱い車なので、冠水道路を走行した後日に、一部パーツや部品が故障する可能性もあります。
特に電気系統は注意が必要です。
車内には配線が通っており、これらが水に濡れてしまうと、ヒューズがショートし電気機器が使えなくなってしまうばかりか、発火する危険性もあります!
あとエンジンオイルに、雨水や泥水が入っていないかも確認する必要があります。
オイルが、白く濁ったような色をしてたら、水が混入した恐れがあるので交換したほうがいいでしょう。
いずれにしても一度ディーラーやカーショップに相談点検してもらうことをおすすめします。
水没して止まった時の対処は?
注意をして、冠水道路を走行しても、水没する可能性は0ではありません。
基本的に避けるべきですから、水の中へ突っ込むということは当然リスクはあるということです。
止まってしまう原因は、車が空気を吸ってエンジン内部に送り込む「エアクリーナー」から水が入り、人間で言う窒息のような状態になってしまうからです。
こうなった場合、やたらめったにセルを回したり、アクセルを踏んづけてはいけません。具体的な対処法を解説してきますね。
万が一水没してしまった場合は、下記の手順を実行するようにしてください。
- エンジンの再始動はしない
- 足元に注意しながらゆっくり車外に出る
- 水が引くまで車は放置し、ロードサービスを呼ぶ。
まずは身の安全が第一ですから、車が止まってしまったら脱出することを一番に考えましょう!
また、水没時には時注意すべきポイントが2つあります。
- エンジンの再始動は厳禁!
- すぐに車を降りる
順番に説明していきます。
エンジンの再始動は厳禁!
エンジンが完全に止まってしまった後に、無理にエンジンをかけようとキーを回すと、エンジン自体がウォーターハンマー現象などで内部破損してしまうんです。
ここまできてしまうと最悪廃車を覚悟しなければなりません。
エンジンや電装部品にトドメを刺すこととなり、修理する際の費用が高額になってしまう可能性があるので注意が必要です。
すぐに車を降りる
車が止まってしまったら、先ほども書いたとおり、自分自身の安全確保が最優先です。
すみやかに車から降りてその場を離れ、なるべく高い場所に移動して下さい。
水位が上がって取り残される可能性がある上、バッテリーなどから漏電して感電する恐れがあるので要注意です。
水圧でドアが開かないときの脱出方法
冠水道路を走行しているときに車が止まってしまったら、車から降りなければいけません。
ですが、水圧によりドアが開かないことも考えられます。
その場合、パニックになってしまわずに有効な脱出方法を考えることが先決です。
有効な脱出方法はこの2つです。
- 脱出用ハンマーでガラスを割る
- 車内の水位と外の水位との差が小さくなったとき(水圧が低いとき)に、ドアを蹴破る
脱出用ハンマーは、こういったものですね。
→
車に1つ乗せておくと万が一のとき安心です。
ですが、普及率はそんなに高くなく、持っていない人も多いと思います。
そんなときは、車内と外の水位の差が小さくなったとき(水圧が低いとき)に、ドアを蹴破る方法が一番効果的です。
車内に水が入ってくると、冷静ではいられずパニックに陥ることが想定できますが、水位の差が無くなるまで待ち、タイミングを逃さずにドアを開けて脱出しましょう。
ハイブリット車や電気自動車の感電の危険性は?
先に言いますと、ほとんど心配する必要はありません。
感電については、メーカーによりきちんと、高電圧の電気が流れ感電事故が発生しないよう対策がされているんです。その為、救助なども含め、水没した車両の近くの水の中に入っても、感電することはないんですね。
ですが、可能性としては0ではありません。
事故などで露出した高電圧ケーブルなどに接触すれば、漏電からの感電による死亡または重傷を負う恐れがありますので、注意が必要です。
まとめ
冠水した道路を走行するときは、
- 水深20cm以上は走行しない
- 一定の速度でゆっくり走る
- なるべく道路の真ん中に沿って走る
水没して止まった時の対処は
- エンジンの再始動はしない
- 足元に注意しながらゆっくり車外に出る
- 水が引くまで車は放置し、ロードサービスを呼ぶ。
この時注意すべきポイントは
- エンジンの再始動は厳禁!
- すぐに車を降りる
上記の項目を守れば、車の故障や自分自身の身の危険を回避することができるでしょう。
ただし、どの方法も100%安全を保証するわけではありません。
「冠水道路は走行しない」が原則であることを忘れないようにしてくださいね。